どうもヒロ(@hiro_studish)です。無人島で二泊三日のサバイバルチャレンジしてきたので記事を書きました。エド・スタフォードとかベア・グリルスを好きな人、無人島でサバイバルしてみたい!って人はぜひ読んでほしいです。
最初に「サバイバルで精一杯で撮影している余裕がなかった」ということを言っておきたいと思います。なので、紹介したくても画像や動画がないところが多々あることはご了承ください。それだけ過酷だったんだなあと思っていただければと思います。
目次
今回サバイバルした無人島
今回の企画は以前にも行った事がある和歌山県有田市の無人島・地ノ島で決行しました。以前の記事はこれとかこれとか。
この島は@kaaitoさんがリーダーとなって開発していて、私も2018年からサロンに入り開発メンバーになりました。私はサロン内で「無人島でサバイバルしたい!」と以前から言っていたんですが、今回やっとその企画を実現させることができました。
実は無人島開発がクラウドファンディングを開始しました。上記の画像はクラウドファンディングをやっているCAMPFIREのページ(#ぼくらの無人島を持とう! 無人島で遊んで開発する仲間の募集!!!)からお借りしました。
クラウドファンディングでは開発メンバーとして参加できるリターンもあるので、あなたもパトロンになって私と一緒にサバイバル企画など楽しい企画をやりましょう!
チャレンジの動機・目的
そもそもなぜこの企画をやろうと思ったのかというと、YouTubeでエド・スタフォードの動画を観たからです。これ↓
*期間限定の動画らしいので観れなくなってるかもしれません。
めっちゃ楽しそうでしょこれ。こういうのめっちゃやりたかったんですよね。今回は、この動画にあるようなことをどこまで自力でできるかを試しに行こうと思い立ったのが島に渡る3週間前。急遽、興味ありそうな人に声をかけたら私以外に愛すべきおバカさんが5人も集まりました(笑)。
メンバーはこんな感じ。
@shokoppie
1年ちょい前からの友人。何をやるにもとにかく格安でやる方法を探すことに長けてる。最近はウズラとかヤギでビジネスしてるらしい。シェアハウスもやってる。謎のイベントを多数開催してる。声をかけたら秒で参加表明。島では食料調達で活躍してくれました。
@nichebito
今回が初対面だけど、Twitterではちょっと前からFF関係。「Nicheっち」というメディアでニッチな人を取材してる。一般人に潜むニッチ性の顕在化が今のライフワークらしい。最近ツイッターで変色肌ギャルでプチバズしてた。今回のサバイバルについてブログを書いてくれました。(無人島生活をしてみたら自分の性格の悪さに気づいた)
@AnkleBreaker173
元教え子(私は普段オンラインで勉強教えてます。)で最近無人島開発メンバーになったばかり。開発メンバーになってから日が浅く一度も無人島に言ったことがないので誘いました。webマーケ会社でインターンをやってる。箕輪編集室とキンコン西野エンタメ研究室のメンバーでもある。
@yurryworld
完全初対面。@shokoppieが声をかけた人。どこかのミスコン出てたとか。最近始めたガールズバーのバイトが楽しすぎてヤバいらしい。風邪気味だったのにも関わらずドタキャンせず参加したツワモノ。
山口くん
完全初対面。某TOKIOのメンバーではないです。@shokoppieが声をかけた人。大学生(休学中)兼予備自衛官。さすがの身体能力で磯を軽々移動していた。@shokoppieと同じく食料調達で大活躍。
以上5人と私を合わせた合計6人でサバイバルに挑戦してきました。
ちなみに私も含めた全員がサバイバル経験皆無です。私は多少知識がありましたが、他のメンバーは知識もほぼ0です(笑)。なんでもまずやってみることが大切だと常日頃から言ってるんですが、命の危険があることは徐々に経験値を積んでいった方が良さそうです。
ドラクエでもレベル上げは雑魚で回すのが基本ですからね。
サバイバル4原則
エド・スタフォード曰く、サバイバルには4つの原則があります。
- Fire
- Water
- Shelter
- Food
人間は1日2〜3Lの水分を必要としますが、水分不足が続くと脱水症状になります。脱水症状になるとオシッコが濃い黄色になるようですが、1日目の夜にオレンジ色のオシッコが出た時は「あ、これヤバいな」って思いました。水さえあれば数日は死なないで活動できるっぽいのでまずは水の確保が重要ですね。
水といっても自然界で飲料水を確保するのは非常に難しいです。たいていは煮沸しないとダメです。場合によっては濾過も必要です。煮沸するには火が必要なので、火起こしも水の確保と同じくらい重要です。食料を加熱処理するのにも必要です。
シェルターは雨風から身を守るのに必要です。寒さや暑さは言うまでもありませんが、風は想像以上に人間の体力を奪います。良質な睡眠をとったり休息したりするためにはシェルターは欠かせません。
食料は絶対に必要。サバイバル生活ではあらゆるものからカロリーを摂取する必要がありますがそのためには虫、植物、動物などあらゆるものを探すことになります。
これ以外にエドがやっていた「石ナイフ作り」も挑戦しました。シェルターを作ったりする際に石ナイフがあると効率が上がりそうですが、効率が上がるというだけで必要という訳ではないので原則には入れていません。ただ、石ナイフ作りは面白そうだったので上陸後の最初のタスクとしました。
ルール
無人島サバイバルをやるに当たって基本的なルールを決めました。
- 死なないこと
- 何も準備しないこと(ナイフなどの道具を使わないこと)
- 自然を壊さないこと
最低限のルールを考えた時に「とりあえず死ななければいいかな」と思ったので、まずはこれが1つ目。2つ目は今回の目的ですね。2つ目に関しては、すぐに覆すことになります(笑)。
葦や竹などすぐに生えてくるものはOKとしましたが、大きな木を切るなど島の自然環境を長期間に渡って変えてしまう行為も禁止しました。
ルール2については2名ほど違反している人がいましたが、それによって結果的に助かったので良しとします。
ダイジェスト動画
今回のサバイバルチャレンジの様子を10分程度の動画にまとめました。
最初は楽しそうな様子なんですが、徐々に声が小さくなり元気が無くなっていく様子がわかると思います。後半は表情も暗いです(笑)。
余裕がないDay2の様子あまり撮影できてないのが残念です。
タイムライン
今回の活動内容を時系列にそってざっくり紹介します。
11月1日(木)22:30:本厚木から車で和歌山県有田市まで移動(9時間半かかった)
11月2日(金)9:00:船で島に渡り2泊する
11月4日(日)12:00:船で帰還、車で帰る
ここで注目すべきは車での移動です。特に初日。二人で交代しながら運転したんですが、車内では寝られずほぼ寝ないでサバイバルに突入します。
さらに4日目は昼に島から帰還しその日の深夜に帰宅する予定でしたが渋滞にハマり5日早朝の帰宅に。Day2の昼間とDay3の午前中に少しだけ寝ましたが、私はこの4日間はほぼ寝てないことになります。
結論:素人には無理
先に結論を言っておきますが、エド・スタフォードの動画のようなサバイバル生活は素人には無理です(笑)。
やる前は「まぁいけるでしょ!」と思ってたんですが、開始半日で「あ、これ無理なヤツだ」と気づきます。
最初の数時間は上記のルール2を維持して頑張っていましたが、メンバーの疲弊度を見てこれはヤバいなと思ったので途中からはプランB「人工物を使っても良い」に変更しました。
一人だったら意地でも最後までやってたかもしれないですが、他のメンバーの体調を考えると妥協して正解でした。ギリギリまでリスクをとって挑戦しましが今回は失敗。今回の経験を次回に活かしたいと思います。
もし次回やるとしてもこのメンバーは来てくれなさそうですけどね(笑)。
ナイフに向いた石が見つからない
Day1, 9:30。島に上陸後、メンバーに島を案内したあと石ナイフ作り作成スタート(画像や動画は残念ながらないので、最初に載せたスタフォードのシリーズをご覧ください)。
私は以前に2回ほどこの島に行ったことがあるので、海岸に石が大量に存在していることは知っていました。ですので、石ナイフは簡単に作れるんじゃないかと思っていましたが、現実はそううまくいきませんでした。
島にある石は主に砂が押し固められた砂岩ばかりで、割ると薄くシャープな破片ができるのですが、脆く壊れやすいのでナイフに向かなかったです。
森側も探索しましたが同じような素材の石しか見つからず。石ナイフ作成に時間をかけ過ぎると火起こしや水の確保のための時間がなくなると思ったので小1時間ほどで断念。火起こしに移行しました。一応、切れ味が悪く脆い石ナイフは作ることができたのでそれで我慢。
ちなみに石ナイフに適しているのは石同士で叩くと「キンッ」という金属音がする石です。黒曜石があると良かったんですが、黒曜石はそう簡単に見つからないです。
火起こしは超人的な体力が必要
Day1, 11:00。火起こしスタート(動画2:35〜)。
4原則の中で最も重要だと考えていたのは「火の確保」ですが、これが想像以上に難しかったです。今回私が試した火起こしの方法は以下の2つです。
- ノコギリ式
- 弓きり式
- 火溝式(ひみぞしき)
誰でも知ってる「手もみ式」はどう考えても無理なので最初からやりませんでした。
「ファイアスターター」や「マイギリ式」などの火起こしの道具で火起こしをしたことがあるので、ある程度は火起こしに自信がありましたが、現実はそんなに甘くなく自力での火起こしは失敗に終わりました。
最初は竹同士を擦り合わせるノコギリ式を試しました。こんなやつ↓
次は弓きり式を試しました。こんなやつ↓
*画像は「火起こし道具」さんのウェブサイトより引用
残念ながらこれはサバイバル向きじゃなかったです。
弓部分は竹を使ったんですがこれは良かったです。竹の強度と柔軟性が弓にするのに最適でした。
一方で弦の部分は植物のツルで作成しましたが全く機能しませんでした。ツルが硬くて弓を動かしても棒部分が全く回らず。また。結びづらく、最適な強度で張るのが難しかったです。ツルの皮の部分を石で軽く叩いてなめしたり剥がしたりしたら多少改善されましたが、それでも火を起こすほどの摩擦を数分間に渡って継続できるほどのものにはならず。
ネットで売られているものは全てのパーツが理想的なものを使っていますが、実際にそれらを自然界で入手するのは困難だとわかりました。
最後に火溝式を試しました。こんなやつ↓
*画像はベア・グリルスのDVDのキャプチャ
これが一番可能性を感じました。煙が出るところまではいったんですが、体力的な問題で発火温度(素材によるが300℃以上は必要なはず)までは到達できず。火種ができるまでは休まずにひたすら擦り続けるのはかなりキツい。
発火させるレベルの摩擦熱を得るには押し当てる力と擦るスピードが重要です。強く押し当てるほど大きな摩擦熱を生み出すことができます。
動摩擦力はF=μN(μ:動摩擦係数、N:垂直抗力)で表されるので、一見すると擦るスピードは関係なさそうですが、擦っている間にも外気に触れて温度は下がっていきます。温度が下がらない間に次のひと擦りをしないといけないのでそれなりのスピードが必要です。
煙が出るレベルで擦り続けるのはせいぜい1分くらいが限界でした。心臓はバクバクなるし腕がパンパンになり手の握力は持ってかれるので超人的な体力が必要です。コツを掴めばもっと楽にできるのかもしれませんが、今回はその時間はなかったです。
素材も重要です。火溝式をやるには硬く乾燥した木が最適です。土台となる方の木と擦る方の木はなるべく同じ素材が良いらしいです。
無人島で最適な素材を見つけるのは困難でした。また、擦り続けると擦った表面がどんどん磨耗していきツルツルになっていくので摩擦が起きにくくなるのも火起こしの難しさに拍車をかけました。
スタフォードだけではなくネットで火起こしの動画は山ほどありますが、その場にあるものでアドリブで火起こしするのはかなり難しいことがわかりました。
ということで、火起こしするために事前やっておいたほうが良いのは「筋トレ」です。特に腕まわりの筋肉を鍛えておきましょう。
自力での火起こしは失敗に終わったので、プランBとしてライターを使うことに。
私はそれらのサバイバルに便利な道具を一切持ち込まなかったんですが、@nichebitoさんが持ってきていました。もし誰も持ってきてなかったと思うとゾッとしますね(笑)。
運よく水源を発見
Day1, 13:00?。水の確保スタート(動画3:04〜)。
以前、地ノ島に来た時に山側にある岩の間から水が滲み出ていたのを覚えていたので、その場所を探したところ水源を発見することができました。
大きな木の下に流れていた水が倒木によって露出したようです。地ノ島は今年の台風によって大きな被害を受けましたが、私たちはその台風によって木が倒れたことで水源を発見することができました。
流れてる水をその場で少しだけ口にふくんでみたところ、特に変な味はしないので煮沸して飲むことにしました。
この時点で、すでにプランBを発動してるので水は落ちていたペットボトルに入れ、煮沸はこれまた落ちていたコーヒーの空き缶でやりました。
飲んだところ、うっすいコーヒーの味がしてまずかったです。鉄臭さも若干あったので、あまり大量に飲むと体に悪い気がします(笑)。
ちなみに飲んでから3日以上経ちますが、特に異常はないです。煮沸は10分以上すると良いらしいという情報は正しかったですね。完全に沸騰させなくても缶を触って「アツっ」てなるくらいの温度で10分以上やると良いと思います。
飲料水ですが、Day1の夜あたりからは開発メンバーが残しておいた未開封のクリスタルカイザーを飲んでました。この頃には、後述のシェルター作成でメンバーの疲労感が限界に達していましたし、脱水症状になるとヤバいのでそう判断しました。
以前に島に行った時に竹があったので、計画段階では飲料水を竹の水筒に入れて焚き火のそばにおいて煮沸する予定でしたが、実際に行ってみると良い感じ太さの竹がなく断念。そもそも強度の高い石ナイフを作成することができなかったのでうまく竹をカットすることができなかったんですけどね。
シェルター作りはできるが・・・
Day1, 12:00?。シェルター作りスタート(動画:4:07〜、5:09〜)。
最初のシェルターは流木を組んで植物で屋根・壁を作るのが基本ですが、今回はこんな感じのものを作りました。
大きさは6人が足を出して寝るとちょうどすっぽり入れるくらい。寝る場所には竹を並べたり葦を敷くなどして寝やすくしました。「寝やすい」とは到底言えないレベルでしたが。
私はざっくりとした外形と作り方を教えて途中から水の確保にいったのですが、まずまず良い感じのものができたと思います。時間がなかったのでダイアゴナル・ラッシングなどの結び方を教えられなかったですが、それでもかなりの強度のものができました(実は事前にロープの結び方を勉強していましたが、それを使う機会はほぼなかったです。)。
流木を集めるのは簡単だったんですが、木と木を結ぶための植物のツルを集めるのに苦労していましたね。
シェルターは風向きを考えて開けた方に壁がくるように設置しました。開いた側は葦が生い茂ってるのでそちらからの風は防げます。葦とシェルターの間で焚き火をしたいので多少余裕を持たせて設置。
シェルターが完成した時は良い感じだと思ってましたが、数時間後に全くの勘違いだったことを痛感します。
夜になるとめっちゃ寒くて、とても寝られる状況ではありませんでした。事前に天気予報を確認したところ10℃くらいとなっていたのですが、実際には5℃くらいまで下がってたと思います。やはり海側は寒い。
寒さの原因は「隙間」です。葦で作った部分からすきま風と冷気が入ってきてこれが熱を奪っていきます。すきま風と冷気の前に焚き火はほとんど意味が無いように思えるほどでした。
焚き火から1mくらいの正面は暖かいんですが、火に当たってない後ろが寒い。1m以上離れるとほぼ無意味。
シェルターといってもほぼ外なので当たり前なんですが、予想を超えていました。夜に熱を反射するための板を置いたりして補強しましたが(第2段階のシェルター)、焼け石に水、というか「冷気に草壁?」でしたね。
第2段階のシェルターを作ったのはDay1の夜でしたがその時は他のメンバーはもちろん、私も余裕がなかったので残念ながら撮影し忘れました。
冷気は隙間だけではなく上からも降ってきます。これは下記のアップグレードした第3段階のシェルターでよりハッキリとわかったんですが、第2段階のシェルターでも十分わかりました。
第2段階はシェルター全体を壁で囲っただけなので半分くらいは上部に何もない状態です。その部分から冷気が降りてくるのが肌でわかりました。読者の方も理科で「冷たい空気は下に、暖かい空気は上に」と習ったと思いますが、まさにそれです。
Day2にシェルターを第3段階へアップグレードしました。
「人工物の使用」をアンロックしたのでそこらへんに落ちてるものはなんでも利用しました。もうなりふりかまってられません。下手すると死にそうでしたからね(笑)。
アップグレードの際に考えたのは「全体を何かで囲むこと」「隙間をなくすこと」です。最初に作ったシェルターは一方が完全に開いてるので落ちていた板材で周りを囲み、板材、テント、ブルーシートで葦の隙間を塞ぎました。
また、@nichebitoの発案により寝る場所には海岸から砂を運んで敷きました。この作業もかなりキツかったです。3名が砂を集めて私は砂を運びました。
開発メンバーが使っている一輪車があったのでそれを使って運びましたがそれでもきつい。感覚ですが、一回あたり100〜150kgぐらいの砂を運んでたんじゃないかと思います。砂といっても小さい石ですからね。量が集まれば相当な重さになります。
海岸と内陸部に間には防砂&防波壁があるんですが、それを越えるための階段は一段一段が大きく上り下りがキツかったです。また、砂を集める作業自体も単調なので、Day1で疲弊した状態でやるには精神的にキツかったと思います。
「葦をもっとたくさん敷く」ということも考えましたが、葦を切るのはかなり大変なんですよね。トータルの仕事としては砂を運ぶよりも楽だったかもしれませんが、第1段階のシェルター作りの際の葦の切り取り作業でみんなモチベが下がってたので、あえて言わないようにしました。
シェルターをアップグレードしたことで寒さは多少軽減されましたが、それでもやはり寒かったですね。
寒さ以外にも注意した方が良いことがあります。それはシェルターのサイズと排煙です。
サイズは大きすぎると焚き火の恩恵を受けにくくなるし、小さすぎると寝返りができなくなります。今回のシェルターは6人が同じ向きにギリギリ寝れるくらいのサイズでしたが、経験値のない人間が何時間も同じ姿勢で寝られるわけもなく、みんな身体がバキバキ。
最初は火が消えそうになる(寒くなると誰かが気づくw)と薪を追加してたんですが、そのうち力尽きてそれもしなくなります。しょうがないので私が寝ずに火の番をしていました。私が火の番で起きて空いたスペースはみんなが姿勢を変えたりして動くことで消えました(笑)。
排煙をうまくやらないとシェルター内部に煙が充満して一酸化炭素中毒で死にます。煙は上に行くので焚き火の上を開けるのが排煙としては最も効果的なんですが、熱も上に行くんですよね。
煙突を作れば煙を効率的に逃して熱は逃さないようにできたんですが、短時間で作るための材料と道具が見当たりませんでした。
焚き火をすると煙の問題は必ずありますが、シェルターと組み合わせるとさらに設計が難しくなるのが今回わかりました。
あと、予想以上に薪が必要だということもわかりました。暗くなるちょっと前から翌日太陽が昇るまでの12時間以上、夜間は6人が寒さをしのげる(しのげてないけど)火を維持するためには、概算ですが1日あたり100kg〜150kgくらいの薪が必要でした。
実際に測ったわけではなく集めた薪の量を考えた上での概算なので正確ではないですが、だいたいそんなもんだと思います。
朝になって参加したメンバーが口々に「太陽ありがたい」と言っていたのが印象的でしたね。
嬉しい誤算もありました。シェルターの支柱は流木でトライポッド型に組んだんですが、それだけだとかなり弱々しいものでした。ところが、葦を束ねて乗せたり板材を乗せたりして重みがかかることで手でグイッと押してもビクともしないくらいの強度になったんですよね。これは良い発見でした。
食料の確保も難しい
4原則の3つ目は食料の確保です。計画段階でこれは難しいだろうなと思っていたんですが、予想通り難しかったです。
すでに書いたように以前に島に行った時に山側を少しだけ探索したことがあったんですが、木の実などの食べられそうなものは何もなかったんですよね。
なので海でなんとかしようと考えていました。2日間という短い時間で一番可能性があると思ったのは罠でしたが、それもシェルター作りや水の確保、火の確保など他の作業に時間を取られて断念。
かろうじて手に入ったのは謎の貝。最初はトコブシかと思ったんですが、友人がツイッターで「それはカタ貝だよ」と教えてくれました。似てるので見分けがつかん。サイズが違うのか。
貝取りは@shokoppieと山口くんが活躍しました。@shokoppieは以前にも貝取りの経験があるのがわかっていましたが、山口くんの活躍ぶりは想定外でした。さすが予備自衛官。
釣りもやろうと思ったんですが、竿は竹で良いとして釣り糸と針が確保できず。これはある程度予想してたので私的には問題なし。
わずかながら経験値がある私と@shokoppie以外は「こんなに食料の確保が難しいとは思わなかった」と言っていました。お決まりですが「無事帰還したら何食べたい?」みたいな会話をしてましたね(笑)。
結局2日間で摂取したカロリーは一人当たり200〜300kcalくらいだったんじゃないかと思います。貝だけなので大したカロリーは摂取できてないはずなので。
帰りの車内で聞いたんですが@nichebitoさんはみんなに隠れて草とか花とか食べていたようです。とりあえず試してみたらしい。サラダの味がしたと言ってました(笑)。
計画段階では時間があればテンション罠もやろうとしてたんですが、これも時間がなくてできませんでした。島には鳥がいるのでもしかしたら捕まえられたかもしれませんが、罠を設置できたとしてもうまく行く可能性は10%もなかったと思います。なにせあのベア・グリルスでさえ罠を5〜8個設置して1つ成功すれば良いくらいと言っているので。
4原則で最も重要なのはシェルター作りだった
今回のサバイバル企画で何が一番辛かったかと言うと全員一致で「寒くて寝られないこと」でした。食べ物がないのは以外と平気で、2日間なら食べなくてもそこまで辛くなかったですね。水は確保できたというのもありますが。
たった一晩、寒くて寝られなかっただけでも肉体的、精神的に大きなダメージを受けることがわかりました。ほとんどのメンバーは初日で心が折れかけていましたね(笑)。拷問の一種に「寝かせない」というのがありますが、その有効性を身をもって実感したと思います。
私は似たような状況で寝られなかった経験があるので多少は耐性がありましたが、それでもやはりキツかった。
サバイバル期間中に@shokoppieが「寝れば寝るほど体力が削られる」と言っていましたが、まさにその通りでした。焚き火の近くに座っていれば寒さはしのげますが、その体勢では寝られない、寝ようとして横になると寒い、というどちらを選択しても苦痛という状況はかなりキツいです。
ということで寒い時期にはシェルター作りを優先し、ちゃんと寝られる環境を作ることが最も重要だとわかりました。あくまでも今回の状況ではということですが。
サバイバルで使える無人島で拾えるもの3選!
いきなりアフィリエイトブロガーの記事のタイトルっぽい見出しになりますが、無人島で二泊三日過ごしてみて便利だった物を紹介したいと思います。
評価 | |
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用途 | シェルターの柱部分や焚き火に使える優れもの。無人島の海岸で無限に拾えるので入手難度が低い点が良い。おしゃれインテリアとしても使えるが、無人島サバイバルではそんなことをしている余裕はない。 |
評価 | |
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用途 | 流木同様に建築資材にもなるし、焚き火にも使える。乾燥した竹は火がつきやすいが、すぐに燃え尽きるので継続的に火を維持させるのには不向き。イカダの材料にもなりそう。 |
評価 | |
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用途 | 主に飲み水を保存するために使用する。あとは先端部分を切り取り逆さまにはめることで漏斗状の罠も作れる。繰り返し使えるので便利。未開封の状態だと数ヶ月放置されても飲めることが今回わかった。 |
無人島サバイバルにおいては入手コストの低さが重要になってきます。シェルターの資材や焚き火の燃料にもなることから「流木」を一位にしました。
竹はどこにでも生えているので入手難易度は低いですが、入手できない環境もあるのでペットボトルとどちらを2位にするか悩みました。竹は流木と同じくシェルターの資材、焚き火の燃料になるので今回はペットボトルよりも上ということに。
ペットボトルがなければ今回のサバイバル生活は成立しなかったです。クリスタルカイザーありがとうって感じですね。水の硬度なんて気にしてられないですよマジで。
ということで装備なしで無人島に行かれるときはぜひ有効利用してみてくださいね。実際に無人島に行ったことがある方はこんなものも使えるよとツイッター(@hiro_studish)でこっそり教えてくれると嬉しいです!
ふざけるのはこれくらいにして、話を戻します。
正しい焚き火のやり方
今回、私は2晩に渡って焚き火の番人をやっていたんですが、その中で正しい焚き火のやり方を発見しました。
それは「焚き火の密度を高めること」です。
焚き火をしたことがある人はわかると思いますが、木を燃やすと灰になります。これは当たり前なんですが、この燃やし方は効率が悪いんですよね。いわゆる不完全燃焼の状態です。燃えずに残ったものが灰なのでその分は無駄になってるということです。
不完全燃焼し灰となって残る原因は焚き火にする木同士の隙間が多いことです。火をつけるためには酸素を供給しなければならず、そのために木をキャンプファイヤーみたいな形に組んだりしてあえて空間を開けるのが焚き火の基本ですが、一旦火がついたら話は別です。
一度火がついたら焚べる木と木の隙間なるべく無くした方が良いです。そうすることでより完全燃焼に近づき、灰が少ない燃え方をしてくれます。
この焚き火の方法だと木はより長く燃え続けてくれますし温度も高くなります。よく炭が赤々となっているけど炎があまり出ていない状態をテレビやネットなどでみたことがあると思いますがあの状態ですね(その様子はやはり撮影し忘れましたが、動画の4:48〜が少し近い状態)。
Day1は特に何も考えずにガンガン木を投入していましたが、Day2はこの発見によってより少ない木で済みました。完全燃焼に近いほど煙も発生しないのでより快適でしたね。
さいごに
一応飲み水は確保できたし、シェルター作りはできたので4原則のうち2つはクリアしましたが、そのクオリティが低かったので今回のチャレンジの達成度は20%くらいですね。
火起こしはちゃんと筋トレ&練習すればできるようになる気がします。
食料の確保については食べられる植物の知識を身につけないといけませんね。現場で見て判断できるレベルの知識が必要です。そのためにはより多くの経験を積む必要がありそうです。
エド・スタフォードの動画を観てこのチャレンジを思いついたんですが、動画がヤラセなんじゃないかと思うくらい彼はヤバすぎるスキルの持ち主だと思います。
彼は登山家の栗城史多さんと同様に引きの画も自分でとってるはずですが、そのためにはカメラの設置と回収も自分でやらないといけません。今回の経験からそれがいかに凄いことかがよくわかりました。
引きの画どころか作業の定点撮影すらできないくらいのキツさでしたからね。
私と同じようにエド・スタフォードの動画を観て「楽しそう!やってみたい!」と思った人もいると思いますが、安易な気持ちでやらないほうが良いです。特にちびっ子は真似しないように。
今回の経験を踏まえてまずは火起こしスキルを上げる必要があることがわかりました。火を起こせないと水の煮沸と食料の加熱ができませんからね。食べられる植物の知識を身につけることも重要です。
今回参加してくれたみんなは2度とやりたくないと思ってるでしょう。私は今後もサバイバル企画をやりたいと思っていますが、今回と同じような状況は避けたいのでスキルを身につけたいと思います。
島から帰還した後の温泉(光の湯)は最高でしたね。いつも以上に長風呂してしまいました。ただ、光の湯は一番近くにあるので選びましたが、完全分煙じゃなかったので次回行くときは他の場所を試したいと思います(以前行った時も同じことを考えたが、思い出せないほど余裕がなかった)。
そのあとに帰還後の最初の食事は「マック」でした。人間不思議なもので、何も食べない状況がしばらく続くとジャンクなものが食べたくなるんですよね。マックの後すぐに「すき家」行きました(笑)。
ひとつ後悔しているのはペットボトルのゴミを放置してきたことですね。現地に置いてあったとはいえ、そのままにしてきたのは間違いでした。せめてまとめておくなどしておけばよかったです。後々、現地の開発メンバーが片付けなきゃいけないことを考える余裕がなかったです。申し訳ない。
今回このバカなチャレンジに参加してくれたみなさん、渡船の手配・調整をしてくれた無人島開発メンバー、シーズンオフなのに島まで船を出してくれた渡船場の方、本当にありがとうございました。
Niche()さんが